離婚時に住宅ローンの連帯保証人を外す!唯一の合法的ルートは「家売却」だけ

離婚時の住宅ローン連帯保証人

この記事は、宅建士資格を保有し、元・大手ハウスメーカー営業の実務経験をもつ不動産専門ライター『木村仁』が執筆しています。

離婚という人生の大きな転機において、最も厄介で、かつ深刻なトラブルに発展しやすいのが「住宅ローンの連帯保証人」の問題です。

「離婚するのだから、当然保証人も辞められるはず」

「相手が住み続けるのだから、自分はもう関係ない」

もしあなたがそう考えているなら、非常に危険です。

結論から申し上げます。

原則として、離婚を理由に住宅ローンの連帯保証人を外れることはできません。なぜなら銀行にとって、あなたの離婚は「契約内容を変更する正当な理由」にはならないからです。

しかし、連帯保証人の呪縛から解放される道は確実に存在します。

この記事では、不動産取引と住宅ローンの裏事情を知り尽くしたプロの目線から、「離婚時の連帯保証人の変更・解除」を阻む冷酷なルールを解説。あなたと子どもの未来の生活を100%無傷で守り抜くための、唯一の正しい清算手順をお伝えします。

【この記事の結論まとめ】
  • 離婚届を役所に提出して赤の他人に戻ったとしても、住宅ローンの連帯保証人契約は「自動解除されない」のが事実です。
  • 元夫が将来、再婚や失業、病気などでローンの支払いを1回でも滞納した瞬間、銀行はあなたに対して「残りのローン額を今すぐ一括で代わりに全額払いなさい」と容赦なく請求してきます。
  • 夫婦間で交わした「保証人には迷惑をかけない」という公正証書は、あなたと元夫の間だけで通用するローカルな約束に過ぎず、銀行に対する防衛盾には1ミリもなりません
  • 連帯保証人の呪縛を100%完全に消滅させる唯一の絶対的正解は、「離婚前に家を市場の最高値で売却してローンを一括完済(チャラ)にすること」です。
目次

自動解除は100%ない!「連帯保証人のまま離婚したらどうなる?」最悪の末路

「他人に戻るんだから関係ない」という無知が、数年後に地獄を見る理由

離婚の話し合いが進む中で、「籍を抜いて名字も元に戻すし、生活圏も全く別になるんだから、過去のローンの保証人は外れるだろう」とタカをくくっている夫婦が多くいらっしゃいます。

日本の金融システムにおいて、戸籍上の関係(夫婦であるか、他人に戻るか)と、銀行と交わした金融契約(連帯保証人契約)は、完全に切り離された「全く別次元の話」です。

銀行から見れば、あなたが離婚しようが、どこへ引っ越そうが、知ったことではありません。あなたが「私は主債務者(夫)の代わりに、この何千万円もの借金を命がけで保証します」とサインした契約書(金銭消費貸借契約)は、離婚届の提出によって上書きされることは100%あり得ないのです。この無知のまま名義を放置して別れることが、数年後に裁判所の手によって強制的に差し押さえられる悲劇の引き金となります。

主債務者(元夫)が再婚・失業した瞬間、あなたに襲いかかる「全額一括返済」の恐怖

「元夫は大手企業に勤めているし、子ども思いだから滞納なんてするはずがない」と相手の誠実さに自分の人生のサイフを預けるのは、あまりに危険なギャンブルです。

離婚から3年、5年という月日が流れた時、元夫の人生には激変のシチュエーションが訪れます。彼が別の女性と再婚して新しい子どもが生まれたり、会社の倒産や病気によって収入が激減したりした瞬間、彼にとっての最優先事項は「現在の新しい家族の生活費」へと180度切り替わります。

その結果、「なぜもう他人に戻って何年も会っていない元妻のために、自分が高いローンを毎月律儀に払い続けなければならないんだ」という引き算の不満が芽生え、ある日突然、引き落とし口座への入金をストップ。その瞬間に、あなたを襲う地獄のシナリオが幕を開けます。

【法律vs銀行契約】なぜ夫婦間の「公正証書」は、銀行の前では1ミリも通用しないのか

なぜ、どれほど固い離婚の取り決めを交わしても無意味になってしまうのか。その理由は、民法上の約束と、金融契約の間にある「巨大な二重構造の壁」にあります。

離婚協議書の限界:身内のローカルルールは、金融機関の「金銭消費貸借契約」を上書きできない

多くの人が勘違いしているのが、「弁護士を間に挟んで、役所で『住宅ローンは夫が全額の責任を持って支払い、妻には一切の迷惑をかけない。万が一、妻に請求が来たら夫がその全額を補填する』という離婚協議書を公正証書で作ったから、これで法的な防衛策は完璧だ」という猛信です。

確かに、その公正証書はあなたと元夫の間においては強力な法的効力(執行力)を持ちます。しかし、それはあくまで「あなたたちの身内だけで通用する内輪のローカルルール」に過ぎません。

お金を貸している当事者である銀行は、その夫婦間の約束の話し合い(契約)に1ミリも参加していません。したがって、元夫が不払いを起こした際、銀行に対して「ほら、ここに夫が払うと書いた公正証書があります」と提示しても、銀行の担当者は「それはそちらの元夫婦間の問題ですので、不満があるならご自身で元夫に請求してください。私どもは契約書通り、連帯保証人であるあなたに全額の返済を求めます」とマニュアル通りに一蹴されるだけです。

銀行契約の冷酷な現実:連帯保証人とは「主債務者と全く同じ重さの借金」を背負う呪いである

金融契約における「連帯保証人」とは、ただの「普通の保証人」とはワケが違います。法律(民法)上、連帯保証人には以下の3つの強力な防衛権が一切認められていません。

  • 催告の抗弁権(さいこくのこうべんけん)がない:銀行から「金を返せ」と言われた際、「まずは主債務者である元夫に先に請求してください」と言い返す権利がありません。
  • 検索の抗弁権(けんさくのこうべんけん)がない:元夫に財産があることを知っていても、「元夫の車や給料を先に差し押さえてください」と銀行に命令する権利がありません。
  • 分別の利益(ぶんべつのりえき)がない:借金3,000万円に対して、「私は保証人に過ぎないから、半分(1,500万円)だけ払えばいいでしょ」という割り算の言い訳が通用せず、「全額(3,000万円すべて)」に対して、主債務者と1ミリも変わらない100%同一の重い返済義務を課されます。

つまり、銀行から見れば、元夫もあなたも「どっちから金を回収しても構わない、同列の借金まみれのターゲット」に過ぎないのです。

現実味ゼロ!ネットに出回っている「連帯保証人の変更・解除マニュアル」のウソをプロが暴く

他のブログやQ&Aサイトを見ると、さも簡単に連帯保証人を切り離せるかのような「3つの解決策」が並んでいますが、実際の不動産実務の現場から見れば、これらはどれも「現実味ゼロの綺麗な絵空事」です。そのウソの本質を暴露します。

ハードル1:「別の連帯保証人を身代わりに立てる」__親や親戚が数千万の借金を肩代わりしてくれるか?

「元夫の父親や、新しい再婚相手、あるいは親戚などを代わりの連帯保証人(身代わり)として銀行に差し出せば、あなたの名義は解除してもらえます」とあっさりと書いているケースがあります。

冷静に考えてみてください。他人の離婚のどさくさに紛れて、「元夫が払わなくなったら、代わりに3,000万円の借金を背負います」と喜んで実印を捺してくれるような奇特な人間が、この世に存在するでしょうか?

仮に元夫の高齢の父親(年金暮らし)を銀行に提案したとしても、銀行の審査部門は「この年齢では十分な返済能力(担保価値)がない」として、名義変更の手続きを機械的に却下します。代役を見つけること自体が、一般の会社員世帯ではほぼ100%不可能な無理難題で時間の無駄なのです。

ハードル2:「元夫の単独ローンに借り換える」__銀行の審査でほぼ100%門前払いという現実

「夫1人の名義で別の住宅ローンへ丸ごと『借り換え』を行ってもらい、過去の夫婦共同の連帯保証契約を完済消滅させましょう」というアドバイスも、冷酷な金融の数式の前には無力です。

そもそも、購入当初にあなたを連帯保証人に指定しなければローンの審査が通らなかったという事実は、元夫の単独の年収スペック(経済力)では「その金額(例:3,500万円)を借りる資格がなかった」という何よりの証明です。

離婚したからといって元夫の年収が急に2倍に跳ね上がるわけではありません。それどころか、離婚によって配偶者手当がカットされたり、生活費が二重にかかることで、夫1人の審査属性は当時よりも劇的に低下しています。銀行へ名義変更や借り換えの打診をしに行っても、窓口でほぼ100%「現在の年収では単独ローンの承認は出せません」と冷たく門前払いにされるのがオチです。

ハードル3:「公正証書で相殺する」__相手が自己破産したら、その紙切れは一瞬でただのゴミクズに化ける

「もし銀行から私に請求が来ても、公正証書があるから後から元夫の給料を差し押さえれば相殺できるから大丈夫」という引き算の計算も完全な絵空事です。

もし元夫がリストラや多重債務によって「自己破産」の手続きを選択した場合、法律上、彼が抱えていたすべての債務(あなたへの補填義務)は一瞬で完全に免除(チャラ)されます。つまり、あなたの手元にある公正証書は、ただの無価値な「紙切れ」に化けるのです。

しかし、銀行はあなたに対する連帯保証人の請求権を絶対に手放しません。元夫が破産したその翌日、銀行は連帯責任者であるあなたの元へ「主債務者が自己破産したので、残りの3,000万円を今すぐあなたが全額一括で支払いなさい」と非情な取り立てを回してきます。自分の身を守るための盾が、最初から何の中身もない張り子の虎だったことにその時気づいても、もう退路は完全に遮断されています。

呪縛を完全消滅!連帯保証人からあなたの名前を合法的に切り離す唯一の絶対的正解は「売却」である

「代役もいない、借り換えも無理、公正証書も無力なら、私は一生、元夫の借金の呪いを背負って生きていかなきゃいけないの?」と絶望する必要はありません。唯一無二の合法的脱出ルートはこれしかありません。

解決策はこれだけ:離婚届を出す前に家を売り、ローンを一括完済して「保証契約自体を消す」

他人に戻った元夫という人生のリスクを100%シャットアウトし、あなたの名前をローンの名義から完全に消し去る唯一の方法は、「離婚届を役所に提出する前の段階で、持ち家を売却し、その売却代金を使って住宅ローンを全額一括完済させること」です。

借金の残り残高(ローン)そのものが消滅すれば、あなたが銀行と交わしていた「連帯保証人契約」も、法律の仕組み上、完全に消滅します。

家を売却して現金化してしまえば、銀行に頭を下げて名義変更を懇願する必要も、将来の不払いに怯えて夜中にスマホを握りしめる必要も1%もなくなります。これこそが、あなたと子どもの未来の平穏を確実に担保する最強の自己防衛策です。

アンダーローンかオーバーローンか?まずは今の「家の本物の価値」を天秤にかけることから始まる

売却によって連帯保証人の名前を綺麗に切り離すためには、まずあなたの家が「住宅ローンの残債より高く売れるのか(アンダーローン)」、それとも「売ってもローンが残ってしまうのか(オーバーローン)」の損益分岐点を正確に見極める必要があります。

この現在地の数字を知らないまま、夫婦間でいくら「保証人を外して」「無理だ」と感情論の話し合い(無駄な時間)を重ねても、交渉は1ミリも前に進みません。

まずは、スマホから一括で複数の不動産会社へ査定を依頼し、「私たちの家は、今最高いくらで売れるのか?」という本当の売却価値の数字を並べて比較し相場を把握することが、離婚交渉における絶対的なスタートラインとなります。

【事例公開】「俺が払うから保証人のままでいろ」という元夫を論破し、救われたMさんの体験談

離婚後も連帯保証人のままと放置され、地獄を見る寸前だった30代女性のケース

千葉市内にお住まいの会社員Mさん(38歳・女性)は、2年前、夫との離婚協議を行っていました。当時、夫の名義で購入したファミリー向けの一戸建てに住宅ローンが2,800万円残っており、夫からは「俺がこのまま住んで毎月10万円のローンを責任を持って払い続けるから、お前は子どもを連れて出て行ってくれ。わざわざ売却したり借り換えたりする費用はもったいないから、連帯保証人の名義はそのままでいろ」と強引に迫られていました。

子どもの親権やこれからの引っ越しの手続きで精神的に限界だったMさんは、「夫が払い続けると言うなら、波風を立てずにその言葉を信じてサインして別れよう」と妥協する寸前でした。

しかし、「連帯保証人は離婚しても自動解除されず、相手の再婚で必ず破綻する」という情報を目にしたMさんは、激しい恐怖を覚え、元夫の提案を一度完全に保留にしました。そして、離婚届を出す前に、不動産一括査定サービスを利用し、家の本当の市場価値を洗い出す戦略を取りました。

離婚届を出す前に「一括査定」で家の財産価値を見える化した結果の劇的ビフォーアフター

Mさんが、目先の「夫の口約束」という妥協を捨て、事前の一括査定による徹底的な見える化を行った結果のリアルなシミュレーションビフォーアフターです。

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Mさんは、一括査定を利用して複数の不動産会社を競わせた結果、周辺の土地需要が高騰しており、家が予想を遥かに超える「3,300万円」という高値で売却できることを突き止めました。

「3,300万円の査定書」という本物のデータを元夫の前に突きつけ、「あなたの低い言い値で名義を残すくらいなら、今すぐ高く売却して綺麗にお互いの借金をチャラにしましょう。これを受け入れないなら、私は離婚調停を申し立てて徹底的に慰謝料を法廷で請求します」と、圧倒的な主導権を握って離婚交渉をコントロールしました。

結果として、3,300万円の売却益で2,800万円のローンを一瞬で全額一括完済。諸経費を引いた後に残った500万円のキャッシュを250万円ずつ綺麗に折半して離婚手続きを終了。

驚くべきことに、離婚からわずか2年後、元夫は新しい女性と再婚し、勤めていた会社を自己都合退職していました。Mさんは「もしあの時、夫の『払い続けるから保証人のままでいろ』という言葉を信じて別れていたら、今頃ローンの引き落としが止まって、私は子どもを抱えたまま、元夫の代わりに2,800万円の請求を回されて確実に自己破産していました。家の価値を見える化して、本当に救われました」と、当時の英断を振り返っています。

▼あなたの家が「いくらで売れるか」を調べてください

事例のMさん夫婦のように、元配偶者の甘い言葉や「名義変更せず放置する」という目先の楽な選択肢に騙されず、将来の住宅ローン不払いリスクを100%遮断してクリーンな人生を再スタートさせたいなら、取るべき行動は簡単です。

離婚届を出す前に、複数の不動産会社から「本物の売却査定額」を調べることです。

元夫というリスクに怯えながらローンを背負い続ける地獄を迎える前に、まずはあなたの家がいくらで売れるのかの現実の数字を確認しましょう。

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一生の後悔を残す!離婚時の住宅ローン連帯保証人処理で絶対にやってはいけない3つの致命的NG行為

離婚交渉の最終局面において、無知ゆえに陥りがちな、人生を破滅させる「3つの致命的な失敗パターン」を解説します。

NG行為1:「別れた後は連絡を取り合わないから大丈夫」と、名義変更の手続きを曖昧にして別れる

「もう夫の顔も見たくないし、離婚届さえ出してしまえばすべて終わり。ローンの名義変更の手続きは、夫が後から勝手にやってくれると言っているから任せよう」と、実印の回収や銀行との契約の切り離しを曖昧にしたまま他人に戻る行為は、最もやってはいけない致命的なNG行為です。

不動産取引の鉄則として、すべての財産処分や保証人の切り離し手続きは、離婚届を役所に提出する「前」に完了させておくことが絶対の規則です。

一度籍を抜いて他人に戻ってしまった後、元夫と連絡が取れなくなったり、相手に新しいパートナーができて「過去の妻のために銀行の書類を書くのが面倒くさい、協力したくない」とへそを曲げられた瞬間に、あなたの名義変更の手続きは法律上、永久に不可能になります。別れた相手と何度も頭を下げて交渉しなければならないという、一生の巨大な足かせを引きずり続けることになります。

NG行為2:家の売却相場を調べないまま、相手の「養育費を多めに払うから保証人はそのままで」を鵜呑みにする

「毎月の養育費を本来の相場より5万円多めに振り込むから、その代わりに住宅ローンの連帯保証人の名義だけは完済までそのまま残させてほしい」という夫側の提案を、現在の家の売却相場を調べないまま鵜呑みにして合意する行為も完全にNGです。

住宅ローンの金利は世界情勢によって変動するリスク(金利上昇の恐怖)があり、建物の維持費は年々高騰していきます。一方、養育費は相手の収入の増減や失業によって、後から家庭裁判所へ「減額請求」を申し立てて合法的に減らすことができる法律の仕組みになっています。

このような不確定な「バーター取引(相殺契約)」に頼ると、将来、夫の生活が変わった瞬間に、養育費の入金はストップし、あなたの元にはローンの全額請求だけが残るという最悪の二重苦を背負うことになります。必ず「家は売却して現金化、養育費は毎月現金で貰う」と別々に切り離すのが鉄則です。

NG行為3:事前の情報収集を怠り、最初の売却査定の初期段階でハズレの不動産屋に任せてしまう

「家を売るにしても、よく分からないからとりあえず地元の不動産屋へ行って話を聞いてみよう」と、アポなしで丸腰のまま相談に行く行為は絶対に避けるべきNG行為です。

不動産業界には「専任媒介の原則(最初に仲介を依頼した会社が、その物件の売却権利を数ヶ月間独占するルール)」が存在します。

離婚というデリケートで急を要する事情を見透かされ、地元の1社だけの言い値の安い査定額(例:相場3,000万の家を2,500万と低く見積もられる)で契約を結ばされてしまうと、他社の優秀な仲介ルートから「もっと高く売ってローンを完済できたはずのチャンス」が完全に遮断されます。情報収集の最初の1歩こそ、ネットの不動産一括査定サービスを使って冷静に査定依頼する必要があります。

【シチュエーション別】連帯保証人の罠にはまらない!あなたの住宅の状態に合わせた最適な出口戦略

不動産一括査定を使ってあなたの家の「リアルな査定額」が判明した後、その数字を元にどのような手順で離婚交渉を進めるべきか、2つのシチュエーション別に明快な処方箋を提示します。

「一括査定の額がローンの残債を上回る(アンダーローン)」場合の正しい現金清算の手順

不動産一括査定の結果、各社の提示した査定額の平均が「3,500万円」であり、残っている住宅ローンの残高が「3,000万円」だったという、最も安全でスムーズに進められるシチュエーションです。

この場合の出口戦略は極めてシンプルで、一刻も早く売却の媒介契約を結び、家を現金化してローンを一括完済するのが最適解です。売却代金の力で3,000万円を銀行へ一括返済し、抵当権と同時にあなたの連帯保証人契約を完全に抹消(解除)します。

そして、諸経費を引き算した後に手元に残った差額の「500万円」を、離婚協議書に基づいて250万円ずつお互いの口座へ振り分け、財産分与を終了させます。この手順を踏むことで、あなたと元配偶者の間の金銭的・法的な繋がりは完全に消滅し、明日から100%クリーンな新しい人生のスタートラインに立つことができます。

「一括査定の額がローンの残債を下回る(オーバーローン)」場合の任意売却と名義切り離し術

家の査定額が「2,500万円」だったのに対し、ローンの残高が「3,000万円」残っており、家を普通に売却しても差額の「500万円」の借金が残ってしまうという、シビアなシチュエーションです。

この場合は、家を普通に売ることができないため、まずは夫婦の貯金や親からの援助などを使って、不足分の500万円を現金で銀行へ補填して一括完済できるかを検討します。もし現金が用意できない場合は、銀行の許可を得て借金が残ったまま家を売却する「任意売却(にんいばいきゃく)」という特殊な手続きへ進むのが一般的です。

任意売却を行えば、家を手放した後に残った500万円の借金(残債)を、銀行との交渉によって「毎月1万〜2万円ずつの無理のない分割返済」へと切り替えてもらうことができます。この残った500万円の分割返済分についてのみ、離婚協議書で「お互いに250万円ずつ責任を持って分割で銀行へ支払う」という『本当の分担の約束』を交わすのです。家という巨大なリスクの塊を先に処理し、純粋な借金の数字だけにしてから別れることが、オーバーローン攻略の唯一の鉄則です。

▼「オーバーローンだから売れない」と諦める前に。

家の査定額は、不動産会社によって200万〜300万円以上の開きが出ることはザラにあります。A社では「オーバーローンで売れない」と言われた物件が、売却ルートの強いB社では「アンダーローンで現金を残せる」という驚きの査定が出るケースは珍しくありません。

これは、エリアや物件タイプにより不動産会社の得意・不得意があるからです!

特設ページ『不動産一括査定はどこがいい?月間3万人以上が使っている無料サービスがココ』では、全国2000社以上の不動産会社と提携しており、多くの人が家を売る時に利用している不動産一括査定サービスについて解説しているので、ぜひ家を高く売却するために役立ててください。

離婚時の連帯保証人と名義変更に関するよくある質問(FAQ)

元夫がローンの支払いを滞納した場合、連帯保証人である私に事前の連絡や督促は来ますか?

いいえ、元夫が住宅ローンの引き落としを完全に滞納したとしても、その初期段階(1ヶ月〜2ヶ月目)においては、別居している連帯保証人のあなたの元へ銀行から電話や督促状が来ることは法律および実務上「一切ありません」。

すべての督促状は、ローンの主債務者である元夫が登録している住所(新居または実家)宛てにのみ郵送されます。そのため、元夫がその警告をあなたに隠して無視し続けていると、あなたは滞納の事実に1ミリも気づかないまま時間が過ぎ、滞納が3ヶ月〜4ヶ月を超えて「期限の利益が喪失」したある日突然、銀行からあなたの元へ「主債務者が払えないので、残りの3,000万円を今すぐ全額一括で代わりに支払いなさい。できなければあなたの給料を差し押さえます」という非情な一括請求のハガキが突入してくることになります。住んでいないからと安心しているのは、完全な盲点です。

妻がパートなんですが、離婚で住宅ローンの連帯保証人を解除してもらうことは可能ですか?

結論から言うと、銀行に対して「離婚したから連帯保証人を外してほしい」と交渉しても、100%の確率で「規約違反・変更不可」として拒絶されます。

銀行からすれば、収入の少ないパートであっても、「いざという時に給料の一部を差し押さえたり、親族からお金を回収するための強力な担保(人質)」として契約を結んでいるため、離婚という顧客のプライベートな内情のために、自らの回収ルートを減らすメリットが1ミリもないからです。あなたの名前を保証人の書類から切り離すためには、先述の通り、妻の収入に関係なく「家を売却して借金自体をこの世から完済消滅させること」以外に合法的な解決策はありません。

不動産一括査定を利用したことは、同居している夫や住宅ローンを借りている銀行にバレてしまいますか?

いいえ、一括査定フォームから申し込んだ段階で、配偶者や、周囲の近隣住民、またローンを借りている銀行の窓口に対してその事実がバレるということはありません。

不動産一括査定のシステムは、各不動産会社の査定部門へ直接データが暗号化されて届くため、外に情報が漏れることはコンプライアンス上絶対にありません。また、備考欄に「離婚協議中のため、机上査定(データ査定)のみを希望。近隣や夫への配慮のため、自宅へのパンフレット郵送や突然の訪問、自宅電話への連絡は一切厳禁。連絡はすべて私の個人スマホのメールのみとする」と一言書き込んでおけば、不動産会社もデリケートな事情を察し、安全にスマホだけで「査定結果(数字)」を手に入れることが可能です。

まとめ:連帯保証人の呪縛を解くカギは「現金化」にあり!クリーンな第二の人生への第一歩

あなたがこれから進める離婚協議において、元夫の甘い提案に流されず、後悔しない離婚交渉のために必ず頭に入れておくべき最重要ポイントを振り返りましょう。

  • 「籍を抜いても外れない」が現実:離婚届を出して赤の他人に戻っても、銀行と交わした連帯保証人契約は1%も自動解除されない。
  • 公正証書は銀行の前では無力:夫婦間で交わした公正証書は、銀行の強力な一括請求を止めるための盾には1ミリもならない。
  • 「離婚前の売却」が唯一の絶対正解:他人の人生のリスクを30年間も背負い続けないための鉄則は、家を売ってローンを一括完済し、保証契約ごと消滅させること。

これら3つの防衛策を胸に刻んでおくだけで、連帯保証人の呪縛を解きクリーンな第二の人生への第一歩を踏み出せることになります。

今すぐ取るべき具体的なアクション

あなたがこれからの人生で、過去の結婚生活の負の遺産(住宅ローン)に人生を縛られることなく、大好きな子どもと笑顔で健康に暮らせる新生活を手に入れるために、今すぐ取るべき具体的なアクションはたった1つです。

それは、複数の不動産会社に査定依頼をして実際の査定額を把握すること!

最初のボタンを掛け違えて、数年後に「元夫の再婚と不払いのせいで、自分の給料を差し押さえられる」という一生の後悔を抱え込まないために。

多くの人が利用している無料の不動産一括査定サービスについては、以下の記事に詳しく解説しているのでぜひ家を高く売却するために役立ててください。

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この記事を書いた人

木村仁のアバター 木村仁 株式会社NEXT CREATION 代表取締役

大和ハウス工業で不動産営業を経験し、宅地建物取引士を取得。
現在はWEBマーケティング会社「株式会社NEXT CREATION」を経営。
このサイトでは、不動産の実務経験と専門知識を掛け合わせた視点から、家づくり・住み替え・売却で後悔しないための判断材料を中立的な立場で解説しています。

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