「今は手元に現金が必要だけど、数年後には必ず買い戻したい」
「リースバックは『買い戻せる』と聞くけど本当に可能なの?」
リースバックを検討する際に「買い戻し(買戻し)」を希望している方もいらっしゃると思います。
しかし、じつは不動産業界のリアルな統計を見れば、実際に買い戻しする人は全体の1割程度というのが現実です。
先に結論からお伝えします。
リースバックの買い戻しは「可能」ですが、売った時よりも「10%〜30%高い金額」で買い取る必要があります。契約時に「買い戻し価格」と「期限」を具体的な数字で書面に残さない限り、その希望はほぼ100%打ち砕かれます。
この記事では、業者が語りたがらないリースバック買い戻しの「本当のハードル」と、成功率を劇的に高めるための契約テクニックを、専門家の視点から包み隠さず公開します。
1. リースバック買い戻しの「不都合な真実」
なぜ多くの人が買い戻しに失敗し、「騙された」と感じてしまうのか。そこには3つの構造的なハードルがあります。
① 買い戻し価格は「売却価格」より必ず高くなる
不動産会社はボランティアではありません。物件を買い取り、管理し、再び売るためには多額の経費(不動産取得税、登録免許税、事務手数料、利益)がかかります。
そのため、買い戻し価格は以下の計算式が一般的です。
買い戻し価格 = 売却価格×(1.1~1.3)
例えば、2,000万円で売った家を買い戻すには、2,200万円〜2,600万円を用意しなければなりません。「売ったお金をそのまま返せば戻ってくる」という誤解が、最大の後悔を生んでいます。
② 住宅ローンの再契約が極めて難しい
一度家を売却したということは、何らかの資金難があったとみなされます。数年後に「買い戻したい」と銀行に住宅ローンを申し込んでも、審査が非常に厳しくなるのが現実です。
- 高齢の場合: 完済時年齢の制限に引っかかる。
- 自営業・不安定収入: 過去の資金難がネックになる。「現金一括」で買い戻せる目処がない限り、買い戻しは絵に描いた餅になりかねません。
③ 「期限」という見えない壁
買い戻しの権利には、通常「3年以内」「5年以内」といった期限が設けられます。この期限を1日でも過ぎれば、オーナー(不動産会社)は物件を第三者に自由に転売できるようになり、あなたの買い戻しの道は完全に閉ざされます。
2. 失敗を回避するために!契約書の「この文言」をチェックせよ
「本当のところ」を知りたいあなたが、契約前に必ず確認すべきは「権利の種類」です。
| 権利の種類 | 内容 | 安心度 |
| 買戻特約 | 売買契約と同時に登記する強い権利。価格と期間が明記される。 | 最高 |
| 再売買の予約 | 将来、売買することをあらかじめ約束する契約。 | 高い |
| 優先交渉権 | 「売る時はあなたに最初に声をかけます」という程度の努力目標。 | 低い(危険) |
プロの警告:
悪質な業者は「将来、優先的に交渉できますから」という曖昧な言葉でお茶を濁します。これは法的な強制力がなく、業者が勝手に他人に売っても文句が言えません。必ず「再売買の予約」または「買戻特約」として書面に残してください。
3. 買い戻し成功率を上げるための3つの戦略
不動産実務の現場で、実際に買い戻しを成し遂げた人が実践している戦略です。
戦略1:契約時に「買い戻し価格」を固定する
「数年後の時価で」という契約は絶対に避けてください。将来、周辺の地価が上がった場合、業者は高い価格を提示してきます。
必ず「〇年以内であれば〇〇万円で買い戻せる」と、1円単位まで固定した契約を結んでください。
戦略2:親族を「買い戻し資金」のバックアップに据える
自分一人のローンに頼るのはリスクが高いです。将来、子供が住宅ローンを組んで買い戻す「親子間売買」や、親族からの資金援助を視野に入れた計画を、契約時点から立てておくことが成功の鍵です。
戦略3:家賃を払い続けられる「余力」を残す
買い戻し資金を貯めるために無理な家賃設定をすると、途中で家賃が払えなくなり、買い戻す前に退去を迫られます。
「売却代金をすべて使い切らず、一部を買い戻し用として別口座で凍結しておく」くらいの慎重さが必要です。
4. リースバック買い戻しに関するFAQ(よくある質問)
Q. 買い戻し価格に「相場」はありますか?
A. 決まった相場はありませんが、売却価格の110%〜130%が一般的です。もし150%を超えるような提示を受けた場合は、その業者は買い戻させる気がない(転売益を狙っている)可能性が高いと判断してください。
Q. 業者が物件を他社に転売してしまったら、買い戻せませんか?
A. 「買戻特約」や「再売買の予約」が登記されていれば、新しいオーナーに対しても権利を主張できます。逆に、登記がない場合は、転売された時点で買い戻しは事実上不可能になります。
Q. 買い戻しの際、仲介手数料はかかりますか?
A. 基本的にかかります。売買代金の「3% + 6万円 + 消費税」が別途必要になるため、資金計画にはこの諸費用も含めておきましょう。
結論:買い戻しは「覚悟」と「書面」が必要
リースバックの買い戻しを「失敗」で終わらせないためには、甘い見通しを捨てることが第一歩です。
- 「売った時より高くなる」現実を受け入れる。
- 「法的拘束力のある書面」で価格と期限を縛る。
- 「ローンに頼らない資金計画」を立てる。
この3点が揃って初めて、買い戻しのスタートラインに立てると考えてください。
不信感を払拭する唯一の方法は、業者の言葉ではなく、「あなたが手にする契約書の内容」を信じられるまで精査することです。
まずは、複数の業者に査定依頼をして「再売買の予約を登記することは可能か?」「買い戻し価格を今、書面で確定できるか?」の2点をぶつけてみてましょう。

