リースバックと売却の違いは?損を避ける「3つの判断基準」と後悔しない選び方

「まとまった現金が必要だけど、今の家からは離れたくない」

「リースバックと普通の売却、結局どちらが自分にとって得なの?」

家を売るという人生の大きな決断において、手法選びを間違えると数百万円単位の損失や、最悪の場合「住む場所を追われる」という事態になりかねません。

先に結論からお伝えします。

「手元に残る現金の多さ」を優先するなら「仲介売却」、
「住み続けられる環境とスピード」を優先するなら「リースバック」を選ぶのが正解です。

この記事では、不動産実務の視点から、リースバックと売却の決定的な違いを5つの項目で比較し、あなたがどちらを選ぶべきか明確な判断基準を提示します。

目次

【比較表】リースバック vs 通常売却(仲介・買取)

まずは、両者の主な違いを一覧表で確認しましょう。

比較項目リースバック通常の売却(仲介)不動産買取
売却価格市場価格の70%〜80%程度市場価格(100%)市場価格の80%程度
住み続けること可能(賃貸として)不可能(退去が必要)不可能(退去が必要)
現金化の早さ最短2週間〜1ヶ月3ヶ月〜半年以上最短1週間〜1ヶ月
所有権購入者に移転購入者に移転買取業者に移転
毎月の支出家賃が発生するなし(住居費は転居先次第)なし
周囲への秘匿性高い(住み続けるため)低い(広告が出る)高い

1. リースバックと売却の決定的な5つの違い

リースバックと通常の売却(特に仲介売却)には、単に「住めるかどうか」以上の深い違いがあります。

① 売却価格:リースバックは「安くなる」のが一般的

リースバックの売却価格は、市場価格よりも2割〜3割ほど安くなるのが一般的です。

理由は、購入する不動産会社が「将来の再販リスク」や「賃借人がいる状態での管理コスト」を考慮するためです。

  • 売却: 100%の価格を狙えるが、時間がかかる。
  • リースバック: 価格は下がるが、住み続ける権利を得るための「手数料」と考えるべきです。

② 毎月のコスト:住宅ローンから「家賃」へ

リースバック最大の注意点は、売却後に「家賃」が発生することです。

この家賃は、周辺の家賃相場ではなく**「売却価格 × 期待利回り」**で算出されることが多く、周辺相場より高くなるケースも少なくありません。

一方で、通常の売却であれば、住宅ローンの返済がなくなり、固定資産税やマンションの管理費・修繕積立金の支払いもなくなります。

③ 居住の継続性:リースバックは「永遠」ではない?

ここが最も重要なポイントです。リースバックの契約には主に2種類あります。

  1. 普通借家契約: 更新が可能で、長く住み続けられる(借主の権利が強い)。
  2. 定期借家契約: 期間が決まっており、更新が原則できない(期間満了で退去)。「いつまでも住める」と思い込んで定期借家契約を結んでしまい、数年後に立ち退きを迫られるトラブルが多発しています。必ず契約形態を確認してください。

④ 周囲へのバレにくさ

通常の売却は、ネット広告やチラシに物件が掲載されるため、近所に知られる可能性が高いです。

リースバックは、引っ越し作業がなく見た目の変化がないため、周囲に事情を知られずに現金化することが可能です。

⑤ 買い戻しの可否

リースバックには「将来的に買い戻す権利」を特約で付けられる場合があります。

「今は一時的に資金が必要だが、将来はまた自分の所有に戻したい」というニーズに応えられるのはリースバックならではのメリットです。

2. 【独自視点】リースバックで「後悔する人」と「成功する人」

多くの相談を受けてきた専門家の視点から、明暗を分けるポイントを整理します。

後悔する人の特徴:家賃の支払い能力を見誤る

「とりあえず売却代金が入るから安心」と考え、数年後の家賃支払いが苦しくなるパターンです。リースバックの家賃は、売却価格を高く設定すればするほど高くなる傾向にあります。

専門家のアドバイス:

「いくらで売れるか」よりも「今の収入で無理なく払える家賃か」を逆算して売却価格を決めることが、破綻を防ぐ唯一の方法です。

成功する人の特徴:明確な「出口戦略」がある

  • 「子供が卒業するまでのあと3年だけ住みたい」
  • 「老人ホームへの入居資金を確保しつつ、入居待ちの間だけ自宅にいたい」このように、「いつまで住むか」「最後はどうするか」が決まっている人にとって、リースバックは非常に優れた金融商品となります。

3. あなたはどっち?損をしないための3つの判断基準

今の状況に当てはめて、最適な選択肢を見極めましょう。

基準1:手元に残したい金額はいくらか?

  • 住宅ローンの残債が多い場合: リースバックの売却価格ではローンを完済できないことがあります。この場合は、高く売れる「仲介売却」を選ばざるを得ません。
  • 少額の資金調達で良い場合: リースバックで安めに売り、家賃を抑えて住み続けるのが賢明です。

基準2:その家に「いつまで」住みたいか?

  • 一生住みたい: 「普通借家契約」でのリースバックを検討。ただし、家賃の総支払額が売却代金を上回る「長生きリスク」を考慮する必要があります。
  • 数年以内に転居予定: リースバックが最適です。引っ越し代や仮住まいの手間を省けます。

基準3:維持費と家賃を比較したか?

  • 固定資産税、火災保険料、マンションの管理費・修繕積立金。これらを合計した「今の維持費」と、リースバック後の「年間家賃」を比較してください。
  • 一般的に、年間家賃が維持費を大きく上回ることが多いため、長期居住なら売却して安い賃貸に移る方が経済的合理性は高いです。

4. リースバックの落とし穴を回避するチェックリスト

契約前に必ず以下の項目を確認してください。これを確認するだけで、トラブルの8割は防げます。

  • 契約形態は「普通借家契約」か?(長く住みたい場合)
  • 買い戻し価格は具体的にいくらか?(将来買い戻したい場合)
  • 家賃の更新料や値上げに関する規定はあるか?
  • 修繕費用はどちらが負担するのか?(基本は所有者が負担するが、特約に注意)
  • 複数の会社から相見積もりを取ったか?(1社だけでは買い叩かれるリスクがあります)

5. よくある質問(FAQ)

Q. リースバックと買取の違いは何ですか?

A. 最大の違いは「売却後に住み続けられるかどうか」です。買取は売却してすぐに退去しますが、リースバックは売却後に賃貸契約を結んでそのまま住み続けます。買取価格はリースバックよりやや高くなる傾向にあります。

Q. リースバックは住宅ローンが残っていても利用できますか?

A. はい、利用可能です。ただし、リースバックの売却代金で住宅ローンを全額返済できることが条件となります。任意売却と組み合わせて利用するケースもあります。

Q. リースバックの審査は厳しいですか?

A. 住宅ローンのような「個人の信用情報」よりも、「物件の資産価値」と「家賃の支払い能力」が重視されます。そのため、高齢者や無職の方でも、物件に価値があれば利用できる可能性が高いのが特徴です。

結論:まずは「今の家の価値」を正確に知ることから

リースバックと売却、どちらが正解かはあなたのライフプランと物件の価値によって決まります。

「住み続けたい」という感情だけでリースバックを選ぶと、高い家賃負担に苦しむことになりかねません。逆に「高く売りたい」だけで売却を選ぶと、住み慣れた環境を失うストレスが想像以上に大きいかもしれません。

次のステップとしておすすめのアクション:

まずは、あなたの家が「普通に売ったらいくらになるか(仲介相場)」と「リースバックならいくらになるか」の両方の査定を同時に取ることです。

数字を比較することで、初めて冷静な判断が可能になります。

不動産プロの独り言:

リースバック業者は「早く現金化できますよ」と急かしてくることがありますが、焦りは禁物です。必ず「売却(仲介)」の査定額を物差しとして持っておきましょう。

売却(仲介)の査定額を調べるなら下記の記事が参考になります。

本記事の執筆にあたっての留意事項
※リースバックの条件は運営会社によって異なります。具体的な契約内容は、必ず専門の不動産会社や弁護士にご相談ください。
※本記事の情報は一般論であり、特定の取引の成立を保証するものではありません。

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この記事を書いた人

木村仁のアバター 木村仁 株式会社NEXT CREATION 代表取締役

大和ハウス工業で不動産営業を経験し、宅地建物取引士を取得。
現在はWEBマーケティング会社「株式会社NEXT CREATION」を経営。
このサイトでは、特定の会社をすすめるのではなく、家づくり・住み替え・売却で後悔しないための判断材料を中立的な立場で解説しています。

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