「自宅を売っても住み続けられるなんて、夢のような話だけど本当?」
「後で高額な請求をされたり、急に追い出されたりしないか不安……」
まとまった現金を手に入れつつ、引越し不要で今の生活を維持できる「リースバック」。
高齢化社会や資金ニーズの多様化に伴い利用者が急増していますが、その裏側には知らなければ確実に損をする「落とし穴」がいくつも存在します。
先に結論からお伝えします。
リースバックの最大の落とし穴は、「相場より低い売却価格」と「相場より高い家賃」の二重苦に陥ること、そして「定期借家契約による退去リスク」です。
この記事では、不動産業界の裏側を知り尽くしたプロが、契約前に必ずチェックすべき5つの落とし穴と、それを回避するための具体的戦略を徹底解説します。
1. 知らないと危ない!リースバックの「5つの落とし穴」
リースバックを検討する際、多くの人が「目先の現金」に気を取られ、以下のリスクを見落としがちです。
① 「売却価格」の落とし穴:市場価格より3割安い
リースバックの買取代金は、市場価格(仲介で売った場合)の70%〜80%程度になるのが一般的です。
- なぜ安いのか: 買い手である不動産会社は、将来の再販リスクや管理コスト、そして「賃借人が居座るリスク」を価格に反映させるためです。
- 対策: 「高く売ること」と「住み続けること」のどちらを優先するか、冷静な天秤が必要です。
② 「家賃設定」の落とし穴:周辺相場より高くなる
リースバックの家賃は、周辺の家賃相場ではなく、以下の計算式で決まります。
家賃(月額) = 売却価格 × 想定利回り ÷ 12
具体例:
- 売却価格:2,000万円
- 想定利回り:8%
2,000万円 × 8% = 160万円(年間家賃)
160万円 ÷ 12 = 約13.3万円(月額家賃)この場合、月額約13万円前後が目安になります。
売却価格を高く設定すればするほど、毎月の家賃も高くなる構造です。
- リスク: 住宅ローンの返済額よりも家賃の方が高くなり、数年で売却代金を使い果たしてしまうケースが後を絶ちません。
③ 「更新」の落とし穴:定期借家契約の罠
ここが最も深刻な落とし穴です。
多くのリースバック業者は「定期借家契約(期間が決まっており更新がない契約)」を提示します。
- リスク: 営業担当が口頭で「ずっと住めますよ」と言っていても、契約書が定期借家であれば、期間満了時にオーナーから「再契約拒否(=退去)」を突きつけられる法的リスクがあります。
④ 「修繕費」の落とし穴:所有者なのに負担?
通常の賃貸であれば、エアコンの故障や雨漏りの修理はオーナー負担です。
- リスク: リースバック契約では「小修繕および設備の交換は借主(元所有者)の負担とする」という特約が付くことが一般的です。固定資産税は払わなくて良くなりますが、家のメンテナンス費用は引き続き自分持ちになる可能性が高いのです。
⑤ 「買い戻し」の落とし穴:売った時より高い金額
「将来お金が貯まったら買い戻そう」と考える方も多いですが、その価格設定に注意が必要です。
- リスク: 買い戻し価格は、売却価格に10%〜30%の上乗せ(諸経費や利益分)がされることが通例です。さらに、買い戻しの権利には「期限」が設けられていることが多く、現実的に買い戻せる人はごく僅かです。
2. 【独自視点】落とし穴を回避する「逆算の資金計画」
専門家の視点から、失敗しないための「損益分岐点」の考え方を提示します。
多くのユーザーは「今、いくら入るか」を気にしますが、正解は**「あと何年住むつもりか」から逆算すること**です。
プロのシミュレーション例:
- 売却価格:2,000万円
- 月額家賃:15万円(年間180万円)
- 固定資産税等の削減額:年間20万円(実質負担160万円)
この場合、約12.5年で売却代金が底をつきます。13年目からは、資産を失った上で高い家賃を払い続けることになります。
もし「20年以上住みたい」のであれば、リースバックは経済的には不合理であり、通常の売却+安い賃貸への引越しを検討すべきです。
3. リースバック vs 通常売却(仲介)の比較表
落とし穴を避けるために、他手法との違いを再確認しましょう。
| 比較項目 | リースバック | 通常の仲介売却 |
| 売却価格 | 市場の70%〜80% | 市場の100%(最高値) |
| 住居の継続 | そのまま住める | 退去・引越しが必要 |
| 毎月の支出 | 家賃が発生 | なし(引越し先による) |
| 近所への秘匿性 | 高い | 低い(広告が出る) |
| 修繕義務 | 特約により借主負担が多い | なし(所有権移転後は免責) |
4. 契約前に必ず確認すべき「チェックリスト」
落とし穴を飛び越えるために、以下の5項目を業者にぶつけてください。
- 契約の種類は「普通借家契約」か?(一生住みたいなら必須)
- 家賃の「更新料」や「値上げ規定」はどうなっているか?
- 「瑕疵担保責任(契約不適合責任)」は免責になっているか?
- 修繕が必要になった際、誰がいくら負担するのか明確か?
- 複数の会社から「売却価格」と「家賃」のセットで査定を取ったか?
5. よくある質問(FAQ)
Q. 「大手だから安心」というのは本当ですか?
A. 大手はコンプライアンスがしっかりしている反面、契約内容が定型化されており、融通が利かないことがあります。中小業者の中には、特定の地域や築古物件に強く、柔軟な「普通借家契約」に応じてくれるところもあります。社名ではなく「契約書の内容」で判断してください。
Q. 家賃が払えなくなったらどうなりますか?
A. 通常の賃貸と同じく、滞納が続けば退去となります。リースバックの場合、売却代金が手元にあるため油断しがちですが、計画的に取り崩さないと、数年後に住む場所を失う最大の落とし穴になります。
Q. リースバック業者が倒産したらどうなりますか?
A. 物件は別の会社(投資家)に売却されますが、あなたの「賃借権」は保護されます。ただし、新しいオーナーが厳しい条件を突きつけてくるリスクもゼロではありません。信頼できる資本力のある会社、もしくは信託保全などの仕組みがある会社を選ぶことが対策になります。
結論:リースバックは「出口」を想定してこそ成功する
リースバックの落とし穴は、すべて「情報の非対称性(業者が知っていて、あなたが知らないこと)」から生まれます。
甘い言葉に誘われるのではなく、「家賃の総額がいくらになるか」「契約の種類は何か」を冷静に判断できれば、リースバックはあなたの生活を救う強力な武器になります。
必ず「リースバック比較サイト」などを活用して、3社以上の「価格」と「家賃」を比較してください。数字を並べるだけで、業者が隠していた落とし穴が自然と浮かび上がってきます。
詳しくは下記の記事を参考にご覧ください。

