リースバックの家賃相場は高い?算出式と負担を抑える「3つの秘策」

「リースバックを検討しているけれど、毎月の家賃はいくらになるんだろう?」

「今の住宅ローンの支払いより高くなってしまったら本末転倒ではないか?」

家を売却して現金を得つつ、住み慣れた我が家に住み続けられるリースバック。

しかし、その「家賃設定」には不動産業界特有のルールがあり、周辺の賃貸相場とは全く別のロジックで決まることをご存知でしょうか。

先に結論からお伝えします。

リースバックの家賃は「周辺の家賃相場」ではなく、「家の売却価格」に連動して決まります。

そのため、相場よりも高くなるケースが多いのが実情です。

この記事では、不動産実務の視点から家賃が決まる計算式を公開し、さらに家賃負担を最小限に抑えるための具体的な戦略を徹底解説します。

目次

1. リースバックの家賃相場はどう決まる?「魔法の計算式」

リースバックの家賃は、不動産会社が投資した資金(買取代金)をどれくらいの期間で回収できるかという「利回り」の視点で算出されます。

基本の計算式

月額家賃 =(売却価格 × 期待利回り)÷ 12ヶ月

この「期待利回り」が家賃相場を決める鍵となります。

利回りの相場目安

一般的に、リースバックにおける期待利回りは6%〜10%程度に設定されることが多いです。

  • 都市部(東京・大阪など): 6%〜8%程度(資産価値が高いため利回りは低め)
  • 地方都市・郊外: 8%〜10%以上(将来のリスクを考慮して利回りは高め)

【シミュレーション例】

売却価格が2,000万円、利回りが8%の場合:

2,000万円 × 8% ÷ 12 = 月額家賃 約13.3万円

2. なぜ高い?リースバック家賃と「周辺相場」の決定的な違い

多くのユーザーが驚くのは、算出した家賃が「近所の似たような賃貸マンションより高い」という事実です。これには3つの明確な理由があります。

① 投資としての側面が強い

リースバックの買い手(不動産会社や投資家)にとって、物件を購入することは一種の「投資」です。空室リスクがない代わりに、将来の売却(出口戦略)までの期間、一定の収益を確保しなければなりません。そのため、周辺相場よりも利回り優先で家賃が設定されます。

② 売却価格に比例する

通常の賃貸は「築年数や広さ」で家賃が決まりますが、リースバックは**「いくらで買ったか」**で決まります。

高く売れれば売れるほど、比例して毎月の家賃も跳ね上がるという「ジレンマ」が発生するのです。

③ 買い戻しや維持のリスク料

将来的にあなたが家を「買い戻す」権利を持っていたり、不動産会社が固定資産税を負担したりするためのコストが、家賃の中に織り込まれています。

3. 【独自視点】家賃負担を抑えるための「3つの秘策」

ただ提示された金額を飲む必要はありません。専門家の視点から、家賃をコントロールする手法を提案します。

秘策1:あえて「売却価格を下げる」

「できるだけ高く売りたい」と考えるのが人情ですが、リースバックでは逆の発想が有効な場合があります。

売却価格をあえて低めに設定することで、計算の元となる数字が小さくなり、毎月の家賃を大幅に抑えることができます。

  • 向いている人: まとまった大金は不要だが、今の月々の支払いを楽にして長く住み続けたい人。

秘策2:複数の会社で「利回り」を競わせる

リースバック業者によって、設定する期待利回りは異なります。「A社は利回り9%だが、B社は7%」ということが頻繁に起こります。

「他社さんはこの利回りなのですが、御社はもう少し調整可能ですか?」という交渉は、競争の激しい現在の市場では非常に有効です。

秘策3:普通借家契約と家賃交渉をセットにする

長く住む予定であれば「普通借家契約」を選びつつ、長期入居を条件に家賃の減額交渉を行います。オーナー側にとっても、入居者が頻繁に入れ替わるより、信頼できる元所有者が長く住んでくれる方が管理コストが抑えられるため、交渉の余地があります。

4. 家賃以外にかかる「隠れたコスト」に注意

「家賃だけ」を見て安心しないでください。以下の費用がどちらの負担になるか、必ず契約前に確認しましょう。

  1. 管理費・修繕積立金(マンションの場合): 通常はオーナー(不動産会社)負担ですが、契約によっては家賃に加算される場合があります。
  2. 火災保険料: 借主として加入する家財保険等の費用が発生します。
  3. 修繕費用: 給湯器の故障や雨漏りなど、大きな修繕はオーナー負担が原則ですが、「小修繕は借主負担」という特約があるか確認が必要です。

5. 【比較表】リースバック vs 他の手法(家賃・住居費)

比較項目リースバック住宅ローン継続一般賃貸(転居)
毎月の住居費家賃(利回り連動)ローン返済+管理費周辺相場の家賃
費用の変動更新時に見直しあり変動金利ならあり更新時に見直しあり
初期費用事務手数料などなし敷金・礼金・引越代
コスト感やや高め低〜中程度低〜中程度

6. よくある質問(FAQ)

Q. 周辺の家賃相場が下がったら、リースバックの家賃も下がりますか?

A. 自動的には下がりません。契約時の売却価格に基づいて決まるためです。ただし、更新時に交渉の余地はありますが、基本的には契約時の金額がベースとなります。

Q. 家賃を前払いして安くすることはできますか?

A. 会社によっては、売却代金の一部をあらかじめ家賃に充当することで、毎月の支払額を下げるプランを用意している場合があります。

Q. 家賃の値上げをされることはありますか?

A. 契約書に「家賃改定の規定」がある場合、周辺環境の変化や経済情勢によって値上げされる可能性はゼロではありません。契約時に「一定期間は据え置く」などの特約を入れることが対策となります。

結論:家賃相場を知ることは「出口戦略」を立てること

リースバックにおける家賃相場とは、単なる「住居費」ではなく、「今の生活を維持するための利用料」です。

算出した家賃が今の収入で無理なく払えるかどうかを、10年、20年のスパンでシミュレーションしてください。

もし家賃が高すぎると感じたなら、それは「売却価格が高すぎる」サインかもしれません。

失敗しないための最初の一歩

まずは「最高値の売却査定」と「最低限の家賃設定」の両方のパターンを出してもらいましょう。

数字のバランスを見て、あなたにとっての「適正価格」を見極めることが、リースバックを成功させる唯一の道です。

本記事の執筆にあたっての留意事項
※家賃算出の利回りは地域や物件、運営会社によって大きく異なります。
※具体的な査定額は、必ず複数のリースバック専門会社を比較したうえでご検討ください。

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この記事を書いた人

木村仁のアバター 木村仁 株式会社NEXT CREATION 代表取締役

大和ハウス工業で不動産営業を経験し、宅地建物取引士を取得。
現在はWEBマーケティング会社「株式会社NEXT CREATION」を経営。
このサイトでは、特定の会社をすすめるのではなく、家づくり・住み替え・売却で後悔しないための判断材料を中立的な立場で解説しています。

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